研究概要 |
2010年度は,モジュラー関係式の重要な例をさらに増やすべくカンマ因子1個の場合に2005年に発表した,結晶に付随するマーデルング定数をエプシュタインゼータ関数の特殊値と解する研究をさらに進め,論文として発表した.また,ベルヌーイ多項式とコタンジェント関数の間のアイゼンシュタインの等式を,フルウィッツゼータ関数とレルヒゼータ関数の間の関係式に一般化して構造的に明らかにした(論文3).類似のより一般的な関係を求め,それを関数等式と組み合わせることによって,これまで見逃されていたフルウィッツ,レルヒゼータ関数の特殊値の間の関係を完全に明らかにした(論文2) さらに,我々のモジュラー関係式理論では,一般にオイラー積を仮定しない状況を研究するのであるが,オイラー積を用いて,ジャイ氏の結果を完全に一般化し,とくに,平方因子無縁の数の分布をイデアルの分布と捕えて解析した(論文1) また,ガイの数論問題集の翻訳を出版,ネパールで開催されたCIMPAスクールで3回の講演を行った.2011年2月9-13日にパキスタンのGC Univ.ラホールで開催された第5回21世紀数学国際会議で招待講演,その後,セミナーで2時間の講演を行った
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