有限群の丹原関手の乗法的誘導写像に関する以下のような新たな知見を得た。 有限群 G の部分群 H に対し、H から G への乗法的誘導写像は、有限 H-集合 X に G から X への H-写像全体の集合を対応させることで定義される。今まで具体的な計算結果がほとんど知られていなかった。研究代表者はいくつかの有限群に対し、具体的な計算結果を得た。さらに、Gluck、Yoshida により独立に証明が与えられていた、有理数体上のバーンサイド代数のべき等元公式を応用し、自明な部分群からの乗法的誘導写像の像を、G の部分群のメビウス関数を用いて表現することに成功した。スターリング数とG の部分群の剰余群の位数に関するいくつかの合同式を導くことができる。特に G が巡回群の場合にネックレス多項式を導出することができることがわかった。これらの結果をまとめた論文を準備している。
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