• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

多元環の導来圏の同値性と多元環のリンゲル・ホール代数で実現されるリー代数

研究課題

研究課題/領域番号 21540036
研究機関静岡大学

研究代表者

浅芝 秀人  静岡大学, 理学部, 教授 (70175165)

キーワード多元環 / 導来圏 / グロタンディーク構成 / 導来同値 / ラックス関手 / 2圏
研究概要

kを可換環,Gを群,Iを圏とする。また,k-Catでk小圏全体の2圏とする。
(1)G作用をもつk小圏全体のある2圏G-Catと,G次数付きk小圏全体のある2圏G-GrCatが2同値であることを以前に示したが,G-GrCatでの同値性は見慣れないものであったので,これをよく知られた性質との類似で特徴付けた。
(2)反転ラックス関手X:I→k-Catの加群圏およびその導来圏の定義は,これまで別々に与えてきたがこれらを統一的に取り扱う簡単な方法を見つけた。すなわち,まず一般に擬関手との合成が,反転ラックス関手の全体の2圏から反転ラックス関手全体の2圏への擬関手になるという定理を証明した。これを応用すると,k-Catからkアーベル小圏全体の2圏k-Abへの擬関手Modと,加群圏の形のk-小圏全体のなす2圏k-ModCatからk-三角小圏全体のなす2圏k-Triへの擬関手Dをうまく定義すると反転ラックス関手Xとの合成Mod・X:I→k-Abおよび,D・Mod・X:I→k-Triがまた反転ラックス関手となることが分かる。これらがちょうどXの加群圏および導来圏となる。この定理は,導来同値のための被覆理論の圏作用への一般化の主定理(反転ラックス関手XとX'が導来同値ならばそれらのグロタンディーク構成Gr(X)とGr(X')も導来同値になるという定理)の証明にも使うことができた。この主定理を応用して,互いに導来同値なk多元環の対の族を貼り合わせて,導来同値な大きなk多元環の対を構成することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

道具となる一般論は順調に進んでいるが,B/<ν^ng>(ただし,Bは樹木型の箙多元環に導来同値な多元環Aの反復圏で,nは自然数,νはBの中山自己同型,gはすべての整数iに対してg(A^<[i]>)=A^<[i]>をみたすBの自己同型)という形の多元環のクラスを導来同値分類する研究はなかなか進んでいない。

今後の研究の推進方策

(1)圏IをA_n(2≦n≦∞)型の箙で定義される自由圏とする場合に,導来同値のための被覆理論の圏作用への一般化の主定理を応用して,ある多元環のクラスを導来同値分類する。
(2)上記のB/<ν^ng>という形の多元環のクラスの導来同値のもとでの不変量を求める。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Derived equivalences of actions of a category2012

    • 著者名/発表者名
      Hideto Asashiba
    • 雑誌名

      Applied Categorical Structures

    • DOI

      DOI:10.1007/s10485-012-9284-5

    • 査読あり
  • [学会発表] Derived equivalences and Grothendieck constructions of oplax functors from a small category to the 2-cagetory of k-categories2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      多元環の表現論上海国際会議
    • 発表場所
      中国・上海交通大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-10-06
  • [学会発表] Quiver presentations of Grothendieck constructions2011

    • 著者名/発表者名
      木村真弓
    • 学会等名
      環論および表現論シンポジウム
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2011-09-26
  • [学会発表] A characterization of derived equivalences of oplax functors and string diagrams2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      多元環の表現論セミナー
    • 発表場所
      ドイツ・ビーレフェルト大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-09-02
  • [学会発表] Derived equivalences and Grothendieck constructions of lax functors2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      日中韓国際環論シンポジウム
    • 発表場所
      韓国・Kyung Hee大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-28
  • [学会発表] Definition of "derived category" and Morita type theorem of oplax functors from a small category to the 2-category of k-categories for a commutative ring k2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      京都大学数理解析研究所研究集会「Adventures of categories」
    • 発表場所
      京都大学数理解析研究所(京都府)(招待講演)
    • 年月日
      2011-06-03
  • [学会発表] Grothendieck constructions and derived equivalences of oplax functors from a small category to the 2-category of k-categories2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      mini-workshop on algebras and representations
    • 発表場所
      中国・北京師範大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-07
  • [学会発表] Definition of "derived category" of oplax functors and a generalization of Rickard's theorem to oplax functors2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      多元環の表現論セミナー
    • 発表場所
      中国・北京師範大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-04-30
  • [学会発表] A 2-categorical extension of Cohen-Montgomery duality2011

    • 著者名/発表者名
      浅芝秀人
    • 学会等名
      多元環の表現論セミナー
    • 発表場所
      中国・北京師範大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-04-29
  • [備考]

    • URL

      http://www.ipc.shizuoka.ac.jp/~shasash/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi