研究概要 |
代数的手法とトロピカル幾何学を基礎としながら,応用分野の解析を進めた. 1, 基礎付値環等に関る代数幾何的手法の開発に関しては,複素多様体からZアフィン多様体への運動量写像について考察した.代数幾何的内容について集中して情報収集するため,7月25日から29日まで東京大学玉原国際セミナーハウスにおいて,Zアフィン幾何によるミラー構成に関する研究集会を共催した.そこでSYZ予想に基づくトーラスファイブレーションを構成するコンツェビッチ・ソイベルマン理論についての発表を行った. また,大学院生の真瀬真紀子氏と共同研究を行ない,95個の単純K3特異点に対して,ピカール束が同型な族は,すべてある意味で同型なK3の族からなることを証明した.これは,運動量写像と可換な複素トーラスの同型により引き起こされる超曲面の間の新しい種類の同一視を与えるもので,特に例外因子となるK3曲面のアメーバを変えない.論文は現在投稿中である.トロピカル3次曲線の分類についての木原氏との共著論文も準備中である. 圏論的側面の研究において重要になると思われる非可換代数幾何について数理解析研究所の研究集会において情報収集を行った. 2, 応用生命現象への代数幾何の枠組みの応用についての数理研講究録を執筆した.また,超離散力学系に関する研究集会(鹿児島・京都)に出席し,積極的に情報収集を行った.
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