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2010 年度 実績報告書

ベクトル束の評価写像を用いた誤り訂正符号の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21540049
研究機関日本女子大学

研究代表者

中島 徹  日本女子大学, 理学部, 教授 (20244410)

キーワード代数幾何 / 誤り訂正符号 / ベクトル束
研究概要

当年度は、有限体上定義された代数多様体上のベクトル束から定まる符号とそのパラメーターの基本的性質について以下の様な研究をおこなった。
第一に、我々は有限体上定義された高次元代数多様体上の任意階数のベクトル束の評価写像の像としてベクトル束符号の概念を定義した。この様な符号は、代数曲線符号のインターリービングの一般化としてV.Savinによって考察されていた符号を任意次元に一般化するものである。特にn次元多様体上の階数nのベクトル束の場合には、大域切断の零点集合が全て正則であるという仮定のもとでベクトル束符号の最小距離がベクトル束のn次チャーン類によって下から評価できることを証明した。
第二に、Savinによる弱安定性の一般化として、与えられた有理数αと曲線上のベクトル束に対してα型弱安定性の概念を導入した。また、α型弱安定ベクトル束から定まる符号に対して、その次元及び最小距離の評価式がαの関数として得られることを証明した。更に、代数曲線間の有限写像の下で安定束の順像を取ることにより、多くのα型弱安定ベクトル束を具体的に構成する方法を与えることができた。この方法を用いると、曲線のフロベニウス写像による順像から得られるベクトル束から非常に性能の高い符号を構成することが可能であることが導かれる。これらの結果を応用することによって、平面エルミート曲線の場合にベクトル束符号のパラメーターを具体的に決定できた。また、フェルマー曲線の有限群による商曲線の場合にも同様の結果を得た。
当研究で定義されたベクトル束符号は、既知の代数幾何符号を全て含む最も一般的なものであり、その性質の詳しい研究が今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] AG codes from vector bundles2010

    • 著者名/発表者名
      T.Nakashima
    • 雑誌名

      Designs, Codes and Cryptography

      巻: 57 ページ: 107-115

    • 査読あり
  • [学会発表] Vector bundles and coding theory2011

    • 著者名/発表者名
      中島徹
    • 学会等名
      代数幾何学研究集会-ファノ多様体と正標数上の話題を中心として-
    • 発表場所
      九州大学大学院数理学研究院
    • 年月日
      2011-02-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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