2009年度の研究目的の第2として、Sziklaiの予想の解決を掲げた。思惑通り特異点の無い場合については完全な解決に至った。以下これについてやや詳しく述べる。Sziklai自身の予想は「q元体上の次数dの射影平面曲線の有理点の個数Nは、N≦(d-1)q+1をみたす。」というものであった。しかし、われわれはq=d=4の場合にこの予想上界を1だけ超える曲線を見出した。この方程式を具体的書き下すことは可能だが、スペースの関係でここでは行わない。この曲線をKとしよう。しかし、q=d=4の場合には予想上界を超える曲線はKに限るということも合わせて証明できた。この観察に基づき、われわれはmodified Sziklai予想と呼んだのであるが、「Kを除けばSziklai予想は正しい」という作業仮説を立てた。このmodified Sziklai予想が、与えられた曲線が特異点を持たない、あるい特異点を持ったとしてもその曲線がFrobenius classicalと呼ばれる性質を持てば正しいことが証明できた。
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