研究概要 |
q個の元からなる有限体上の平面代数曲線の有理点の個数が、たった一つの例外を除き,(d-1)q+1で上から押さえられるであろうということが,本研究の第1年目において,S.J.Kim氏と私が提案したSziklai予想のmodificationであった. 本年度の成果として,幸いにも,このmodified Sziklai予想を肯定的に証明することができたことを報告する. 証明には初等的ではあるが様々な手法が必要であった.第一段階では,例外となる曲線にも通用す(d-1)q+(q+2-d)という上界を示し,d=q+1の場合に決着をつけ,第2段階ではd=qの場合に考察をする.第一段の上界は目的のものより1弱いだけであり,この弱い上界をとるものがあると矛盾が生ずることを次数qの方程式を詳しく調べることによって示す.さらに第三段階として,Stohr-Volochの結果でカバーできない部分を第一段と良くにた方法により処理をした. 手法はともかくとして,この結果自体はB.Segreの古い結果の改良であり,最近この結果を符号理論に応用するような研究も現れている.
|