研究概要 |
本研究は韓国Gyeongsang大学のSeon Jeong Kim教授との共同研究として,実施された. 昨年度までの研究により,q個の元からなる有限体Fq上定義された次数d(d≧2)の平面代数曲線のFq-点の個数Nに関するSziklai予想について,満足すべき解答が与えられた.すなわち,唯一つの例外を除けば,N≦(d-1)q+1という不等式が成立する. 本年度は,この不等式の等号をとるような曲線の分類を目標にすえたが,曲線の次数dがq+1,qの場合に分類が完成しFinite Fields and Their Applications誌に発表した.(特異点を持たない場合には,dの可能性はq+2,q+1,q,q-1,√q+1,2に限られること,さらにq+2,√q+1,2の場合の分類は,先人の研究および昨年度までのわれわれの研究で分かっていた.) また,この過程で,特異点を持つ曲線についてその有理点の個数を調べる必要が生じ,山形大学深澤准教授の協力を得て興味深い特異点を持つ有理曲線の例を得た.この有理曲線の定義式はHermitian曲線を彷彿させるものがあり,また,この曲線から得られるいくつかの符号は,きわめて良い符号パラメータを有するなど, 平面曲線:Hermitian曲線=有理曲線:この興味深い特異点を持つ有理曲線 というような対比の成立が夢想される,
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