研究課題
Michel HickelおよびHirotada Itoとの共著によるによるNote on Diophantine inequality and Linear Artin APProximation over a local ringは、この科学研究費補助金受領以前から継続する研究であるが、課題にふさわしく、局所環論に数論的問題意識を持ち込んだもので、所期の結果を完全に得た。Artin型の線形近似にも一歩を記した。領域をまたぐ成果である。未だ口頭発表にとどまっているが、C^mの部分多様体上のテイラー補間は補間法と局所環論を結ぶものであるが、同時に超越数論に現れる零評価において、Gabrielov-Khovanskiiによって得られていた結果に比肩しうる結果を得た。これも補間法、局所環論、数論、代数幾何学をつなぐ新しい領域を開くものになることを願っている。この研究の間に、局所環論と関係の深い、デンマークのオフス大学およびフランスのストラスブール大学の特異点研究会を廻り、多くの研究者と情報を交換し、関連知識を得た。この研究は深さを目指さないわけではないが、それよりも、広い範囲の数学を結びつけることを意図しているので、研究課題周辺の研究情勢に注意を向けた次第である。一般に数学の研究は、問題の解明が進むにつれて、問題自身の設定が変化し、当初の意図通りに行くことは少ないが、今年度は課題に非常に密着した形で研究を進めることができた。
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Comptes rendus mathematique de I'Academie dessciences, Paris, Ser I 347
ページ: 473-475