研究概要 |
前年度に引き続き、JosefDorfneister氏,小林真平氏との共同研究を行い、3次元双曲空間内の平均曲率が一定(0以上1未満)の曲面の構成法の改良および整備を行った。単純な曲面、回転面、円周群の作用で不変な曲面の構成法を改良した。本研究課題3年間の主要な成果(3人の共著論文)として発表する(Constant mean curvature surfaces in hyperbolic 3-space via loop groups, J.reine angew. Math.に掲載される)。この研究成果を数値解析的視点から、理解するために、前年度に引き続き、曲線の離散化に関する共同研究を、Bao-FengFeng氏、梶原健司氏、丸野健一氏、松浦望氏、太田泰広氏と行った。今年度は、半離散mKdV方程式の解から得られる差分平面曲線の連続運動をτ関数を用いて記述することに成功した。さらに前年度に得られた「差分mKdV方程式の解から定まる差分平面曲面の運動」から適切な連続極限操作を施すことにより、「差分平面曲線の連続運動」が復元できることを示した。(梶原氏、松浦氏、太田氏との共著論文として発表、J.Phys.Aに掲載)。またホドグラフ変換との関連を解明した。(Bao-FengFeng氏、梶原氏,丸野氏との共著論文として発表、J.Phys.Aに掲載)。3次元双曲空間はリー群の構造をもつ。本研究課題で確立した双曲空間内の平均曲率一定曲面に対するループ群論的構成法を、より一般の3次元等質空間へ拡張することは困難を極める。一般化への第一歩として、3次元ハイゼンベルグ群内の平均曲率一定曲面の構成法を考察した。ループ群論的構成法確立の準備としてハイゼンベルグ群のリー群構造を用いて「移動曲面」の概念を導入し、「移動曲面で極小曲面であるもの」をRafael Lopez氏,Marian-Ioan Munteanu氏との共同研究で分類した。(3人の共著論文,Minimalt ranslation surfaces in the Heisenberg group Nil_3として発表。Geom. Dedicataに掲載決定).
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