研究の目的は空間の対称性概念を押し広げ、ホモトピー論を中心とする位相幾何学の枠組みで捉え理解することである。本年度は大きかに構築できた研究評価することに研究活動の多くを費やした。 具体的な研究対象の一つである自己ホモピー同値群、即ちホモピーでの自己同型群については論立を1篇発表することが出来た。内容は既知の結果の新たな証明と一般化及び、べき零群の階数についての新しい定理を含むものである。また、本年度は有理ホモピー論の専門家であるフェリックス教授(ベルギー、ルーバンカトリック大学)を訪問し議論を行うことが出来た。訪問中、この群の解明に向けフェリックス教授からその手法について直接説明を受けることが出来、漠然とではあるが新しい方向性も見えてきたところである。更に大嶋秀明教授(茨城大)との議論により、ホモトピー同値写像の作る写像空間の高次のホモトピー群とその決定に必要なホモトピー群についての一般的ないくつかの事柄を知ることができた。 また、当初は考察対象にしていなかった事柄で進展を見たものがある。それは例外リー群のホモトピー型についてのある種の情報で、それが得られたことで課題研究が前進するものと思われる。詳細については検討が必要であり、鋭意研究中である。 いずれの結果も現在論文としてまとめつつある。
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