研究概要 |
Mがコンパクトリー群Gの可微分作用をもつときに、D_G(M),L_G(M)およびH_G(M)を,コンパクトな台をもつ同変イソトピーによりMの恒等写像とイソトピックな同変微分同相,同変リプッシッツ同相群および同変同相群全体のなす群とする。平成21年、22年度は主にこれらの群の完全性や1次元ホモロジー群を研究してきた。最近、微分同相群や幾何学的構造をもつ多様体の同型群が完全群であるとき、これらの群が一様完全群となるかという問題が多くの人達により研究されている。この方面の研究は、上記の同型群の研究を更に推し進める際に重要である。 平成23年度は、特にMの部分多様体Nを不変にするコンパクトな台をもちMの恒等写像とイソトピックな微分同相群D(M,N)の一様完全性について研究を行った。特にNの次元が正の場合はD(M,N)が完全群であることを以前に証明をしている。D(M rel N)をD(M,N)の部分群でNを固定する元からなるものとする。このとき、D(M rel N)の連結成分が有限個であるときは、D(M,N)が一様完全群であることを証明した。更にNの次元が1の場合はquasi homomorphismを構成することで、D(M rel N)の連結成分が無限個の場合は一様連続でないことを証明した。この結果を用いると、一様連続でない多くの例を構成することができる。特に3次元球面内の結び目の場合には、トーラス結び目に対しては同型群が一様完全であるが、それ以外の結び目では必ずしも一様完全性でないことが分かる。この方面の研究は低次元多様体論とも関連して興味深く、今後も研究を続ける予定である。
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