結び目と3次元多様体の不変量について研究をおこなった。 LMO不変量からweight systemにより摂動的不変量が導出されること(LMO不変量の普遍性)について、筆者は以前の研究でLie環がsl2のときにこの普遍性を証明しているが、一般の単純Lie環に対するこの普遍性について、筆者は栗屋隆仁氏とThang Le氏との共同研究で、論文を執筆した。LMO不変量にweight systemを適用したものはLie環の双対空間上のGauss積分の摂動展開で表示でき、摂動的不変量はCartan部分環の双対空間上のGauss積分の摂動展開で表示できるが、それらの摂動展開をLaplacianで表示しHarish-Chandraの制限公式を使うという方針で、問題の普遍性を証明した。 筆者は、本研究の連携研究者の葉廣和夫氏と共同で2010年6月に数理解析研究所において研究集会Intelligence of Low-dimensional Topologyを開催した。この研究集会において、筆者はproblem sessionを企画し、その成果として未解決問題集を編集した。また、筆者は、本研究の連携研究者の葉廣和夫氏と共同で低次元トポロジーセミナーを開催した。今年度の講演者は、David Farris氏、Sergei Duzhin氏、Jean-Baptiste Meilhan氏であった。これらのセミナーは申請者や連携研究者との共同研究をすすめるにあたって、また、大学院生等の若手研究者との研究交流の面からも、大変有益であった。
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