結び目と3次元多様体の不変量について研究をおこなった。 LMO不変量から weight system により摂動的不変量が導出されること(LMO不変量の普遍性)について、筆者は以前の研究でLie環がsl2のときにこの普遍性を証明しているが、筆者は栗屋隆仁氏と Thang Le 氏との共同研究で、一般の単純Lie環に対するこの普遍性を証明した。 結び目の Kashaev 不変量と双曲体積を関連づける体積予想は、量子トポロジーと双曲幾何をむすびつける懸案の予想であり、最近10年間 世界的にこの分野の中心的な話題となってきた。筆者は、交点数の少ないいくつかの結び目について、体積予想を証明した。 筆者は、本研究の連携研究者の葉廣和夫氏と共同で2012年5月に数理解析研究所において研究集会Intelligence of Low-dimensional Topology を開催した。この研究集会において、筆者は problem session を企画し、その成果として未解決問題集を編集した。また、筆者は、本研究の連携研究者の葉廣和夫氏と共同で低次元トポロジーセミナーを開催した。今年度の講演者は、Stefan Friedl 氏であった。これらの研究集会やセミナーは申請者や連携研究者との共同研究をすすめるにあたって、また、大学院生等の若手研究者との研究交流の面からも、大変有益であった。
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