平成22年度は三次元多様体のHeegaard分解およびそれに関連した次のような研究を行った。 ・三次元多様体に関するJorgensen-Thurstonの定理に関する研究を実施、三次元多様体の距離が2以上のHeegaard分解のgenusとその双曲的体積のあいだの関係に関する結果を得ることができた。その結果を論文:Tetrahedral number of manifolds of bounded volumel]{A linear bound on the tetrahedral number of manifolds of bounded volume (after Jorgensen and Thurston) にまとめた. ・Strongly irreducibleなHeegaard分解を与えるHeegaard曲面はその三次元多様体内の非圧縮曲面と本質的なsimple closed curvesで交わるようにできることは良く知られているが、この設定において非圧縮曲面を本質的laminationに置き換えた場合にどのような結果が得られるのかについて考察した。特に種数2のHeegaard分解に関して非圧縮曲面に対するものと類似の結果を得ることができた。
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