研究課題/領域番号 |
21540084
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
松本 堯生 広島大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (50025467)
|
研究分担者 |
鎌田 聖一 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60254380)
|
キーワード | 2次元結び目 / 2次元ブレイド / チャート図の変形 / マルコフ型定理 / 4次元トポロジー / ケーリー図 / 和算と行列式 |
研究概要 |
本研究の目的は古典的微分トポロジーの2大未解決問題のひとつである2次元滑らか結び目解け予想を解決し、それを種々の意味でさらに発展させることである。2次元滑らか結び目の解け予想解決の出発点は、カスプによる2重点の生成と消滅のみを許した球面からの写像の1助変数族を構成したことである。さらに、それを特異2次元ブレイドの1助変数族に翻訳し、マルコフ型定理の拡張と平面上のチャート図の手法を有効利用することにより予想を解決する方針である。マルコフ型定理を交点がある場合に拡張することは分担者の役割であるが執筆を始めている。 カスプを含んだ1助変数族を特異2次元ブレイドの1助変数族に変換するところは、直接できると矛盾が起こるのだが、不思議なことに実現可能な方法つまりカスプのところを特別扱いするとうまくいく。この部分の再検討を問題点として指摘してくれた佐伯修氏のところで行った。 交点数を減らす部分はとても慎重に扱う必要があるが、要点は以前の科学研究費補助金報告集に書き上げてある。今年度は京都大学数理解析研究所で5月に開催されたILDT研究集会で研究発表を行い、この部分までを定理とした論文を英文講究録に発表した。 1助変数族の交点数が1の場合にも、交点数を減らす上記の方法は2次元特異ブレイドの1助変数族として、単純でない部分を除く役割を果たしている。従って、最終段階で扱うべき対象は限られている。この段階のチャート図の変形はブレイド群の生成元の語で書き表すことが可能であり、そのケーリー図を同時に考察することにより見通しが良くなった。 その後の発展として、日本の数学の研究環境を良くするための歴史的考察が目的の中に含まれているが、本年2月に数理研で「大成算経における行列式の扱い」について研究発表を行った。
|