研究概要 |
LC pairsのケーラーアインシュタインカレントの存在を証明し、その変形を考察し、論文にまとめた。 また、小平次元が半正のKLT(川又末端)pairsにたいして、canonical measuresを構成した。これは、ケーラーアインシュタイン計量の広範な一般化を与える。 さらに、それを用いて、相対標準束の直像の大域切断生成性を証明した。これから飯高予想など重要な予想が従う。特に、canonical measureをもちいて、Viehwegの弱安定性定理が非常に一般的な形で成り立つことが証明できた。このことを用いると、Shafarevich予想(一般型代数多様体の族に関する)に関連した、Kovacsの有界性定理の広範な一般化が得られた。また同じ手法により、fine moduli schemeの小林双曲性定理が得られそうである。この部分はまだ少し課題が残っている。また、ケーラーアインシュタイン計量と、相対標準測度を用いたシュワルツタイプの定理を得た。これについては数理解析研究所の講究録にその概要をまとめた。 以上の研究成果に関しては、Extremal Kaehler metricsの研究集会(Banff)、数理解析研究所の研究集会「アバンダンス予想の代数、解析両面からの研究」、「ベルグマン核の代数幾何学への応用」、国債研究集会「Invariants in Aleehraic Geometry」などで発表を行った。 9月には、C.Birkar, S.Boucksomとアバンダンス予想に関しての共同研究を行った。 また11月にはS.-T. Yau (Harvard)教授を招いて、最近のcanonical metricsに関して、サーベイトークを行って頂いた。
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