研究課題/領域番号 |
21540094
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高倉 樹 中央大学, 理工学部, 准教授 (30268974)
|
研究分担者 |
三好 重明 中央大学, 理工学部, 教授 (60166212)
|
キーワード | シンプレクティック商 / 余随伴軌道 / 既約表現 / テンソル積 / シューア関手 / 重複度 / 漸近的次元 / 超幾何関数 |
研究概要 |
研究代表者高倉は、第一に、任意のコンパクト・リー群に対し、既約表現とヤング図式からシューア関手として定まる表現(ワイル加群とも呼ばれる)における不変部分空間および重複度空間の次元の漸近挙動について考察した。この問題は、交付申請書の「研究冥施計画」欄で提示した項目のうちの一つである。その結果、いくつかの妥当な仮定の下で、ワイル加群の不変部分空間および重複空間の漸近的次元は、テンソル積の不変部分空間の漸近的次元に比例すること、そしてその比例因子がヤング図式により決まるある定数で与えられること、を示した。じたがって、ワイル加群に関する考察はテンソル積に関する考察へと帰着されることになる。なお、これらの漸近的次元の幾何学的意味は今のところ不明であるが、交付申請書に「研究の目的」の一つとして記した「シンプレクティック商におけるよいクラスの設定」と深く関わると思われる。 第二に、上記の問題の組合せ論的側面を抽出し、ウエイトが負の場合も含めたベクトル分配関数の漸近挙動の研究を行なった。特に、それ存超幾何閨数論と関連付けて考察した。詳細は現在も検討中だが、いくつかの例において、デルタ関数とその導関数を用いることにより、ウエイトが正の場合と同様な超幾何型積分表示が成り立つ、という部分的な結果を得た。 この他に、研究代表者・高倉は、テンソル積表現内の不変部分空間の漸近的次元についての結果(鈴木太郎との共同研究)を雑誌論文として本年度に発表た。また、研究分担者・三好は、回転可能葉層構造のサーストン不等式についての結果(児玉大樹・三松佳彦・森淳秀との共同研究)およびレーブ成分とサーストンの不等式についての結果(森淳秀との共同研究)を雑誌論文として本年度に発表した。
|