結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じる典型的な例はトーラス結び目のDehn手術で、その仕組みはトーラス結び目の補空間のSeifertファイブレーションの拡張という観点から理解することができる。一方、双曲結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じる状況は、多くの例が見いだされているものの、その仕組みは解明されていない。Seifert多様体を生み出すDehn手術(Seifert手術)以外の非双曲Dehn手術に関してはこれまでに多くの事実が明らかにされているが、Seifert手術に関しては、本質的な進展が見られないのが現状である。本研究では、双曲結び目のSeifert手術がどのように生じるのだろうか?という根源的な問題をネットワークという全く新しい視点から明らかにすることを目標に研究を進めた。本研究で導入されたseiferterは、これまで無関係だと思われていたSeifert手術の間の関係を突き止める上で非常に有効であり、seiferterを用いてSeifert手術全体からなるネットワークを定義し、ネットワークを利用してSeifert手術を大域的に理解することが可能となった。特に、双曲結び目のSeifert手術をトーラス結び目のSeifert手術と関連づけることにより、その起源を記述することが可能となったことは本研究の大きな成果であった。今年度はEudave-Munoz氏が構成したSeifert手術の無限個の族に対して、それらのなすネットワークについて詳細に調べ、その起源を明らかにした。また、分岐被覆を用いて得られるSeifert手術に対して、seiferterを特定する新たな手法を確立することができた。さらに、トーラス結び目でhyperbolic seiferterをもつspreaderの新たな系列を見つけることができた。
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