研究課題/領域番号 |
21540111
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
齋藤 三郎 群馬大学, 名誉教授 (10110397)
|
研究分担者 |
松浦 勉 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80181692)
渡辺 秀司 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90222405)
|
キーワード | 再生核 / チホノフ正則化法 / 積分方程式 / 数値解析 / 行 / 逆問題 / 近似解 / アルゴリズム |
研究概要 |
研究計画の骨格である研究著書出版、仮題:The theory of reproducing kernels - 60 years since N. Aronszajn(英文)を314ページに纏め、共著者澤野嘉宏に12月8日に送って、内容を相当充実させることができた。また、不備の点など、澤野氏と直接京都大学で詳しく検討できた。主な研究成果はそこに新たに加えられたが、1)分数関数を作用素を用いて一般的に定義し、表現すること、および数値解析的に求めるアルゴリズムの提案、これは分数関数の性質を導くことと、分数関数を計算機で具体的に求める有効なアルゴリズムを提案していると考える。これは沢山の点で分母の関数がゼロに近い値をとる場合を想定して、考えた。チホノブ正則化法と再生核の理論を本質的に用いている。2)convolutionで表される積分方程式の再生核の理論を用いた解法、これは最良近似解の表現を求めようとして始めたが、思わぬ深い現象が起きていて、普通の解と一般化解が一致していて一般的に議論したため、扱いは相当に複雑で、深くなっている。3)数理工学で応用の多い、ToeplitzとHankel核を持つ積分方程式の解法、この際は、フーリエ積分をとると非線形作用になるので、さらに一段と複雑で、難しい問題が生じたが、数学的には、一応解決できた。そして、それらの研究中に偶然に発見した4)新しい定義を含むconvolutionと新しい型の不等式を導いた。チホノフ正則化法を避けて、できるだけ簡単なアルゴリズムを考えようとして、それらの研究中に基本的で、一般的な原理と具体的な成果が得られつつある:出力観測情報が、有限個の点で有限の値をとる、線形システムにおいてそのある自然な意味で最良な逆を求める原理で、ヒルベルト空間の枠内でそれを定式化すると、再生核の理論を用いると驚くほど簡単に、驚くべき簡潔な形で最良逆が定式化できることが分かった。従来挑戦してきたラプラス変換などでも驚くべき結果が得られている。
|