研究概要 |
われわれの研究目標として、従来の2論文(2003,2006)で応用例として取り扱われた数値例である機械取替え問題を詳しく再考することから始めた。1つ目の課題は、従来のスカラー値をもつマルコフ決定過程において最適方程式を解く方法として、従来から線形計画法が用いられてきたが、そこで議論される線形計画法の双対定理をファジィ値マルコフ決定過程に適用すると、主問題及び副問題の変数がファジィ値になる同様の双対定理が成立することがわかり一般化も可能になった。この結果は現在然るべき雑誌に投稿準備中である。2つ目の課題は、2論文を詳しく計算し直す事により、最適性の逆問題を考察しようとするものである。ある一つ最適政策が多少のパラメータの変動下でも果たして最適となりえるだろうかということである。現在のところ具体的な個々の問題ではある程度の結果は得られるのだが、一般化した問題設定の下でこの結果を示したいと思って努力中である。これが前向きに解決されれば、不確実なパラメータをもつ現実のさまざまな多くの問題に対する最適政策の頑健性が、ファジィ値決定問題としてモデル化され今後とも有益な手段になり得る。 [連携研究者] 千葉大学教育学部教授 中井達 数理ファイナンスへの応用 北九州市立大学経済学部教授 吉田祐治 ファジィ測度、リスク管理の尺度化の研究 神奈川大学工学部准教授 堀口正之 マルコフ決定過程との関連の分析
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