研究課題
本年度は、バナッハ空間における堅非拡大写像の研究、非拡大写像列およびその共通不動点の近似に関する研究成果を得た。以下、「11.研究発表」の[雑誌論文]に記載した各論文の概要を述べる。一つ目の論文では、バナッハ空間上の堅非拡大性をもつ写像の研究を行った。ヒルベルト空間上の堅非拡大写像には数種類の一般化が存在するが、本論文ではそのうちの3種類(P型、Q型、R型)に注目し、それらの相互関係や諸性質をまとめ、不動点の存在や連続性につての結果を得た。二つ目の論文では、P型堅非拡大写像列4の共通不動点に関する2種類の収束定理を証明し、均衡問題や凸制約可能性問題への応用を議論した。三つ目の論文では、強擬非拡大性をもつ写像列についての研究を行った。強擬非拡大写像列がもつ諸性質を証明し、その応用として擬非拡大写像の不動点近似に関する定理をいくつか示した。四つ目の論文では、縮小射影法による非拡大写像の不動点に関する収束定理、および、非拡大写像の不動点の存在が縮小射影法による点列の有界性と同値になることなどを証明した。五つ目の論文では、チェザロ平均を用いた非拡大写像列の共通不動点に関する収束定理とその周辺の結果について議論した。六つ目の論文では2007年に研究代表者らによって導入された強非拡大写像列についての解説を行った。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (7件)
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