本年度は、本研究課題に関連する業績として、不動点集合上の変分不等式問題、ある種の非拡大性をもつ写像列の共通不動点問題の解の近似法に関する研究成果を発表することができた。以下、「13. 研究発表」の[雑誌論文]に記載した各論文の概要を述べる。 一つ目の論文では、不動点集合上の変分不等式問題の解の近似法であるハイブリッド最急降下法と非拡大写像列の共通不動点問題の解の近似法であるHalpern型近似法の比較を行い、ある仮定のもとで、それらの収束性が同値であることを示した。二つ目の論文では、逆強単調写像の変分不等式問題の解の近似法に関する一考察を述べた。三つ目の論文では、擬非拡大写像列に関するviscosity型アルゴリズムが共通不動点に収束するための十分条件を示し、その応用例を述べた。四つ目の論文では、縮小写像列を伴ったviscosity型不動点近似法とHalpern型近似法の比較を行い、ある仮定のもとで、それらの収束性が同値であることを示し、その応用例を述べた。五つ目の論文では、バナッハ空間で定義された単調作用素の零点に関する存在定理および収束定理を紹介した。六つ目の論文では、文献(MR2762191)で得られた結果の紹介と解説を行った。 また、「13. 研究発表」の[学会発表]にある通り4件の講演を行った。
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