研究概要 |
計算機上での数値計算は倍精度(10進約16桁)で行われる.より高精度計算の要求が科学技術分野で高まっている,本研究ではこの要求に応えるため,8倍精度(約72桁)数値計算が手軽にWeb上で行えるシステムを構築する.数値計算やプログラム言語の知識のないユーザにも簡単に高精度計算を提供する.このとき,名大二宮市三名誉教授が最近作成したC++言語上での高速でメモリー負荷の軽い革新的な8倍精度数値計算システムを利用する.本年度は昨年度に引き続き,ネットワークサーバ上にクライアント(ユーザ)からの計算要求を受け付けるインターフェイス用ホームページを作成した.数値入力およびプログラムアップロード用の各フォームを作成した.クライアントから受け取った数値データを解析し,計算サーバに計算要求し,得られた計算結果を送り返すソフトウエアを作成した.クライアントが作成した通常のC言語での倍精度プログラムを8倍精度C++版に変換するルーチンを作成した.外部(クライアント)からサーバへの計算要求と計算実行のテストを行い,ネットワークセキュリティの検査を行った.以上の結果を国内では2010年9月の日本応用数理学会年会で発表した,2011年2月には,インスブルック(オーストリア)で開催されたIASTED-PDCN2011国際会議で研究発表を行った.共同研究者の南山大学杉浦洋教授と8倍精度計算と精度保証に関する研究打ち合わせを行った.
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