研究概要 |
固定区間上で観測された高頻度データに基づく確率微分方程式モデルのボラティリティパラメータの統計的漸近理論について研究を行った.具体的には,統計的確率場の多項式型大偏差不等式を用いて,ボラティリティパラメータの最尤型推定量とベイズ型推定量を導出し,漸近混合正規性及びモーメントの収束を証明した.また,エルゴード的拡散過程から得られる離散観測データを用いて,データの刻み幅 h とデータ数 n とのバランス条件(nh^p->0, p は 2 以上の整数)の下で,ドリフトパラメータとボラティリティパラメータの適応的最尤型推定量を導出し,その漸近正規性およびモーメント収束性を証明した.さらに,誤特定されたエルゴード的拡散過程のドリフトパラメータとボラティリティパラメータの適応的最尤型推定量を導出し,その漸近的性質を示した.
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