研究課題
平成25年度の研究実施計画にそった研究を概ね行うことができた。期待値が発散するゲームとして離散確率論の古典として幾何分布を基盤にした「ペテルスブルグのゲーム」というものが知られているが、平成24年度は、それに対応したものとして、ランダムウォークの再帰時間を基盤としたゲームである「フェラーのゲーム」に関する極限定理を調べた。平成25年度はこれらの問題を個別に見て性質を調べるのではなく、類似点を見出して極限定理を考えた。つまりは、一般化されたフェラーのゲームと一般化されたペテルスブルグのゲームの双方を含むような確率分布のクラスを定め、各要素から作られる独立同分布の確率変数列に対して比較的扱いやすい極限定理を考えた。実際に確率変数に対して裾の部分を切断したものを扱ったが、切断の位置は定数ではなく、確率変数の和の個数に依存して発散するものを扱った。オリジナルのペテルスブルグのゲームの場合、この研究はGyorfi, Kevei (2011)によって研究されているが、ここではその結果を上記の確率分布のクラスまで拡張した。証明はパラメータによる場合わけが必要となるが、モーメントの扱いを簡易化したり、Lyapunovの条件を用いたりして、証明の見通しがよくなり幾分か単純なものになったように思われる。また、その分布のクラスはパレート分布を自然に拡張したものであり、dominated varying という重い裾の分布のクラスとしてよく調べられているクラスの真部分クラスとなっていることがわかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advances in Applied Probability
巻: 46巻, No.1 ページ: 168—185
10.1239/aap/1396360108