| 研究概要 |
代表者らが提案している多角形版移動境界問題の枠組みを,ヘレショウ流れおよびナビエ・ストークス方程式の表面張力効果を考慮した移動境界問題に拡張し,自然なエネルギー保存/減少性を持たせることができることを示した.また,もとの移動境界問題が持つ変分構造とほぼ同じ構造を多角形版移動境界問題が持っていることをヘレショウ流れの場合に証明した.(M. Kimura, D. Tagami and S. Yazaki,論文準備中)
代表者らが提案している亀裂進展現象を記述するフェーズフィールドモデルを用いて,様々な状況下において亀裂進展の数値計算を行い,モデルの有用性をその数値計算結果を通じて確かめた.また,同様のモデル導出の考え方をバネ質点系を用いた破壊モデルに適用し,バネ切断条件に対して数学的な枠組みを与えることに成功した.(M. Kimura and T. Takaishi (2011))
MPS法などのメッシュフリー粒子法で用いられる差分公式について,粒子間距離に関する新たな数学的指標を提案し,その打ち切り誤差の数学的な評価を与えた.(石島清宏,木村正人(2010))
亀裂問題に現れるエネルギー解放率に関して,形状感度解析の手法とバナッハ空間における陰関数定理を用いて数学的枠組みを構築し,その変数係数非等方線形弾性体における曲面亀裂のエネルギー解放率の存在証明を与えるとともに,エネルギーの形状変形に関する高階微分可能性を証明した.(M. Kimura and I. Wakano (2011))
|
