研究概要 |
本年度は2N階フルビッツタイプ微分作用素に対応したソボレフ不等式の最良評価を得た。最良定数の計算には有限群の理論に現れるギャンベリの公式が重要な役割を果たした。また昨年度に引き続き,棒のたわみ問題(低階項なし)についてもソボレフ不等式の最良評価を得た。境界条件は,固定端,ディリクレ端,ノイマン端,自由端境界条件を設定し,それぞれの組み合わせに対応したグリーン関数を計算,グリーン関数があるヒルベルト空間の再生核となることを利用してソボレフ不等式の最良定数・最良関数を求めた。対称性を考慮し10通りの場合について計算した。ディリクレ端・自由端,ノイマン端・ノイマン端,ノイマン端・自由端,自由端・自由端の4つの組み合わせの境界条件については,固有値0が存在するため可解条件と直交条件を追加してグリーン関数を構成した。本年度得られた以上の結果は論文としてまとめた。また,それぞれの内容に関連の深い国際会議で発表を行った。
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