研究課題
本研究の目標は、不連続関数に対するファイン計算可能関数の理論とウォルシュ・フーリエ解析の理論の実効化の発展、および、これらをふまえて、確率分布と分布関数の計算可能性の定式化と収束に関する基本的な理論の実効化を研究することである。本年度の成果として、まず、確率分布は計算可能であるが対応する分布関数はファイン連続でない例が得られた。昨年度得られた結果をディラック分布などの離散分布を含む不連続な分布関数をもつ確率分布に拡張することは不可能であることをこの例は示している。μ、({μ_n})は確率分布(列)でF、({F_n})は対応する分布関数列とし、分布関数に実行的ファイン連続という条件を付けることにより得られた主な結果は以下の2つである。(i)分布関数列{F_n}が実効的ファイン連続の場合、{μ_n}が計算可能であることと、{F_n}が2進無理数列ファイン計算可能である、即ち、任意のファイン計算可能2進無理数列{x_m}に対して{F_n(x_m)}が計算可能実数列となることとは同値である。(ii)μ、({μ_n})は計算可能確率分布(列)で、F、({F_n})は実効的ファイン連続で実効的2進無理数列ファイン計算可能であるとする。このとき、{μ_n}がμに実効的に収束することと任意のファイン計算可能2進無理数列{x_n}に対して{F_n(x_n)}が{F(x_n)}に実効的に収束することとは同値である。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Automata, Formal Languages and Algebraic Systems (World Scientific)
ページ: 139-162
University of Cape Town (Abstract集)
ページ: 17-17