本研究は、一般弾性波動方程式に対して、解の新しい表示法を開発し、それを逆問題に活用するとともに、逆問題で重要となる弾性波の基本性質を明らかにすることを目指している。本年度は、基本事項の整理と課題の明確化に重点を置き、次のことを行った。 a.従来の波の表示法を整理し、その解析法の本質について再確認する。 b.既にアイデアを得ている複素積分を使った表示法を改良精密化する。 c.今後取り組むべき逆問題(数学的モデル)を設定し、その数学的課題を整理する。 aについて、従来知られているFourier積分作用素による解の表示法に関して、アイデアの本質について再認識した。 bについて、既に得ているアイデアを精密化することができたが、汎用性で未だ問題点があり、更なる解析が必要であることも明らかになった。 cについて、来年度考察する逆問題を設定した。それについて、一意性など数学的基本事項を整理し、一意性の証明に関してその方法を模索した。 以上のことを共通理解するため、連携研究者の間で研究集会を開催した。
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