研究課題/領域番号 |
21540164
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
村田 實 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50087079)
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研究分担者 |
志賀 啓成 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10154189)
内山 耕平 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00117566)
宮本 安人 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90374743)
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キーワード | 放物型方程式 / 熱核 / 積分表示 / 楕円型方程式 / グリーン関数 / 半小摂動 / マルチン境界 / 非負値解 |
研究概要 |
村田實は、土田哲生とともに1次元ユークリッド空間上の周期係数2階楕円型微分作用素に付随する放物型方程式の基本解の時間変数・空間変数が無限大での精密な漸近形を与えた。さらにそれを用いて、この放物型方程式に関する下半空間の放物型マルチンコンパクト化とマルチン境界を決定した。これまでは時空-空間内の変数が制限された方向に沿って無限大になる時の基本解の漸近形と極小マルチン境界の構造のみが知られていたが、この結果は時空-空間内の変数が任意の方向に沿って無限大になる時の基本解の漸近形を与え、放物型マルチンコンパクト化を位相までこめて完全に決定したものである。内山耕平は、余次元1の超平面で吸収される多次元ランダムウォークに関し、Green関数と調和測度の精密な漸近評価を与えた。また2次元ランダムウォークについて、半直線への到達分布の精密な漸近評価を与えた。志賀啓成は、Cauchy積分の古典的なHardy-Littlewoodの定理の拡張をおこない、幾何学的有限なb-群の不変成分のリーマン写像をその境界関数の連続度で特徴付けた。Lefschetz fibrationの複素構造(特に複素構造が入るための必要条件)について考察し複素構造を持たない新しい例の構成に成功した。また正則運動(holomorphic motion)について研究し、それがリーマン球面全体の正則運動に拡張出来るための条件について新たな知見を得た。宮本安人は、半線型楕円型方程式の解の構造を分岐理論の視点から研究した。特にノイマン問題の非自明解やディリクーレ問題の符号変化解のなす枝の大域性について研究した。
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