| 研究概要 |
1.代数的局所コホモロジーとD-加群の理論を用いることで,以下の研究を行った.
(1)中村と共同で,Unimodalな孤立特異点を持つ超曲面に付随する代数的局所コホモロジー類が定めるホロノミック系の構造を決定した.また,Bayer-Hefezらの代数曲線に付随したホロノミック系の構造を解析し,5つのケースのうち3つの場合に対し予想が成り立つことを証明した.
(2)中村と共同で,代数的局所コホモロジーを用いることである種の超曲面に対する局所b-関数を求めるアルゴリズムの研究を行った.
(3)ミルナー数を一定に保つような孤立特異点の変形を研究した.ポアンカレ多項式を利用することで,変形に伴うパラメトリックな代数的局所コホモロジー類を求める効率的アルゴリズムを導出し,鍋島と共同で,これらのアルゴリズムを数式処理システムに実装した.この結果を応用することでチュリナ数のパラメータ依存性を解析する新たな手法を構築できる.
(4)孤立特異点を持つ超曲面に台を持つ代数的局所コホモロジー類が定めるホロノミック系の構造と対数的正則ベクトル場の関係を明らかにした.
2.行列の最小消去多項式を効率的に求めるアルゴリズムを導出し,小原と共同で,行列のスペクトル分解計算の並列化を行った.また,固有ベクトルを求めるアルゴリズムを導出し,照井と共同でプログラムを作成した.
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