非線形発展方程式発展方程式の理論と方法を応用して変分不等式と準変分不等式の研究を行った。放物型の問題に関しては、時間依存劣微分発展方程式のエネルギー不等式の方法を利用することにより、空間部分の微分作用素が非オイラー・ラグランジュ型の放物型偏微分方程式や変分不等式の抽象理論を構築した。楕円型の問題に関しては、Joly and Mosco の先行研究を踏まえて、準変分原理の概念を提起し、非オイラー・ラグランジュ型楕円型偏微分方程式(Navier-Stokes方程式、移流項を含む拡散方程式等)や楕円型準変分不等式を統一的に扱う理論を構築した。そのための数学的概念として、準劣微分作用素と名付けた新しい非線形作用素の概念を提案した。これらの結果について論文4編(内3編査読有)を公刊した。
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