今年度は、ニューヨーク私立大学のDragomir Saric氏との共同研究により、地震変形を用いて普遍タイヒミュラー空間と有界な測度付き測地線層のなす空間が同相であることを証明した。また同研究により局所有限な測地線層からなる地震変形が稠密である事が証明された。現存は無限小変形について研究している。論文は準備中である。 有限次元タイヒミュラー空間の研究では、単純閉曲線の極値的長さを用いたコンパクト化であるGardinar-Masur境界について研究した。その研究において、一意的エルゴード的な境界点を定義し、特異ユークリッド構造の退化の空間のコンパクト化と関連を見ることにより、それらがThurston境界の一部と自然に同一視できる事を示した。この系として、Thurstohコンパクト化においてタイヒミュラー空間内の点列が一意的エルゴード的な測地線層の射影類に収束するときの単純閉曲線の極値的長さの振る舞い(発散度)を完全に解明した。論文は現在登校中である。また、東工大の志賀啓成氏と共同でレフシェッツファイバー空間のモノドロミーと正則族のモノドロミーとの関係を研究した。この論文も投稿中である。
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