研究概要 |
群上のLp-フーリエ変換の構造解析については、Lp-フーリエ変換のノルムの計算に焦点を当て、可換群のコンパクト拡大に関する昨年までの研究成果の拡張を試みた。本年度はSfax大学(チュニジア)のBaklouti教授を招き、共同で非可換な群のコンパクト拡大の例などを調べた。特に群のPlancherel公式の、この計算に必要な具体的な記述方法を検討し、情報を収集した。まとまった拡張結果はまだ得られていないが、Lp-フーリエ変換のノルム計算において、対象を非可換な群のコンパクト拡大に拡げた場合に生ずる技術的に困難な点、およびその解決方法を検討した。 指数型可解リー群のC*環の解析については、フーリエ変換により、群のC*環をユニタリ双対上定義された作用素場のなすC*環の部分環として記述する問題を扱った。具体的には、フーリエ変換による群のC*環の像を「軌道の方法」に基づき決定することが目標である。これをLorraine大学(フランス)のLudwig教授およびNational Dong Hwa大学(台湾)のLin教授と共同で研究した。この共同研究で本年度は、正規j代数をリー環に持つ、非ユニモジュラーな指数型可解リー群で、低次元の群の例を対象として取り上げ、群のC*環のフーリエ変換像の解析を行い、2012年10月に開催されたCentre International de Rencontres Mathematiques(フランス)の研究集会 Harmonic Analysis, Operator Algebras and Representations において、当研究集会までに得られた計算結果を報告し、議論した。
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