研究課題/領域番号 |
21540185
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡田 真理 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40201389)
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研究分担者 |
松野 好雅 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30190490)
笠井 伸一 山口大学, 教育学部, 准教授 (40224373)
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キーワード | 圧縮性粘性気体 / 自由境界問題 / アプリオリ評価 / 時間大域解 / 漸近挙動 |
研究概要 |
自己重力を持つ圧縮性粘性気体の球対称方程式に対する自由境界問題を考える。この場合の自由境界は気体が真空と連続的に接している場合を考える。このとき、粘性係数が質量密度の関数である場合の時間大域解の存在と一意性及び定常解への漸近挙動を調べる。 気体に中心となる核が存在する場合に保存量の性質を用いてエネルギー評価をする。さらに高次微分の評価をすることにより大域解の存在を示す。同様の評価式を用いることにより、得られた時間大域解が一意であることが得られる。質量密度の関数が有界な定義域を持つならば、定常解が重力の関数として定義され、時間無限大でこの定常解に時間大域解が連続のノルムで収束することが示される。 気体が核を持たない場合、方程式に中心からの距離である値rが逆数として入るので、このrが零に収束するときの方程式の扱いが難しくなる。このことを解消するために重み付きの関数空間を設定する。このことは、気体星が核を持つ場合と気体のみから構成されている場合の本質的な違いを示唆しており、今後の現象解析に貢献できるのではないかと思われる。 自由境界問題に関しての大体の結論が出そろったので、場合分けしてまとめることにした。真空と気体が不連続に接している場合、そこにおいてストレスの連続性が保たれている。また、その場合考えている領域において質量密度の正値性が保たれているので、時聞大域解の存在を示すことは難しくはない。漸近挙動に関しても自由境界における質量の不連続性は保存されたまま伝搬することがわかる。真空と気体が連続的に接している場合は、ストレスの連続性は自由境界上において質量密度がゼロとなることに相当する。このことがアプリオリ評価を求めることを難しくするが、工夫することにより、空間1次元の場合と球対称の場合において結論を得ることができた。
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