研究概要 |
自己重力を持つ気体星の周りの気体の運動を記述する方程式に対する自由境界問題の解の存在性質等について研究した. 空間2次元の場合の連続の方程式とナビエ・ストークス方程式の連立を考える.それから空間座標を極座標(星の中心からの距離と偏角)に変換する.自由境界としては,真空に連続的に接する場合と不連続な場合を考えた.圧縮性気体を考え粘性も考慮する.だだし,当面は定数とする.固定境界は円周とし気体は粘着していると仮定する.自由境界面での関数の設定は,偏角と中心からの距離を独立とした場合座標変換が複雑になり扱えそうではないので,とりあえずは中心からの距離が偏角に依存して決定される場合を考えた. 自由境界問題の場合に常套的に使用されるラグランジュ変換を適用してみた.これは自由境界面での気体の特異性(真空と接する)を回避するためと,自由境界の未知性を解消するためであるが,2次元で使用することがないため,独自の理論展開が必要となった.過去に発表された自由境界問題に関する論文の検索を行ったが,対応できるものを見つけることが出来なかった. 流体における浅水波問題に使用される方法を用いてみたが,方程式として圧縮性を仮定しておらず,直接利用することはあまりいい方法ではなかった. さらに,一次元の場合に有効であったラグランジュ変換は本質的に一次元であることが利いており,極座標の場合に適用することは無理多で,根本的な理論の飛躍が必要であることがわかった. 偏微分方程式としての取り扱いを数学的なものより,より現実に近いものとしての物理的一面から見直すことを考えいくつかの連続体力学の本も読んでみた.
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