• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

ディラック作用素のスペクトル構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21540187
研究機関愛媛大学

研究代表者

伊藤 宏  愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90243005)

キーワードディラック作用素 / 相対論的シュレディンガー作用素 / レゾナンス / 非相対論的極限 / スペクトル / 固有値 / シュレーディンガー作用素
研究概要

研究代表者と連携研究者による代表的な研究成果を載せる。
(1)は、主な研究であり、(2),(3)は関連する研究である。
(1) (伊藤宏(研究代表者),山田修宣(連携研究者))
遠方で無限大になる電場ポテンシャルをもつディラック作用素のスペクトル、レゾナンスおよび(光速を無限大にする)非相対論的極限を考察した。レゾナンスを定義するためにポテンシャルには伸張解析性を仮定した。まず、2対の相対論的シュレーディンガー作用素のスペクトルとレゾナンスについての結果を得た。一方は、離散スペクトルのみからなり、もう一方は、スペクトルは実軸全体からなり、固有値を除いて絶対連続スペクトルのみからなる。レゾナンスは、存在すれば上半平面上にしか存在しない。次に、ディラック作用素のスペクトルが後者の相対論的シュレーディンガー作用素と同じような性質をもつことを示した。次に、非相対論的極限において,ディラック作用素のレゾナンスが対応するシュレーディンガー作用素の固有値に収束することを示した。最後の結果は、すでに知られていたが、我々の手法(2対の相対論的シュレーディンガー作用素を介在させる)により、そのメカニズムがより明らかになった。さらに、ディラック作用素のスペクトル射影の非相対論的極限を導いた。
(2) (峯拓矢、野村祐司(ともに連携研究者))
ランダムなAharonov-Bohm磁場をもつシュレーディンガー作用素のスペクトルの構造、とくにランダウレベルの存在条件を調べた。
(3) (岩塚明(連携研究者),峯拓矢(連携研究者),島田伸一(摂南大学))
3次元空間内のトーラス内部に閉じこめられた磁場をもつシュレディンガー作用素が、トーラスの太さが無限に細くなるとき、円周上に特異性のあるベクトルポテンシャルをもつ作用素にノルムレゾルベントの意味で収束することを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] On the nonrelativistic limit of Dirac operators with potentials diverging at infinity2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Ito
    • 雑誌名

      Spectral and Scattering Theory and Related Topics" Kokyuroku Bessatsu, Vol.B16, 2010 B16(掲載確定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The spectrum of Schrodinger operators with random δ magnetic fields2009

    • 著者名/発表者名
      Takuya Mine
    • 雑誌名

      Annales de l'Institut Fourier 59(2)

      ページ: 659-689

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Norm resolvent convergence to Schrodinger operators with infinitesimally thin toroidal magnetic fields2009

    • 著者名/発表者名
      Akira IWATSUKA
    • 雑誌名

      Sectral and Scattering Theory for Quantum Magnetic System, Contemporary Mathematics 500

      ページ: 139-151

    • 査読あり
  • [学会発表] 周期的およびランダムな Aharonov-Bohm 磁場を持つ Schrodinger 作用素のスペクトル2010

    • 著者名/発表者名
      野村祐司
    • 学会等名
      日本数学会2010年度年会
    • 発表場所
      慶應義塾大学理工学部
    • 年月日
      2010-03-24

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi