研究課題/領域番号 |
21540189
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 智成 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00303173)
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研究分担者 |
仙葉 隆 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30196985)
加藤 幹雄 信州大学, 工学部, 教授 (50090551)
吉川 美佐子 埼玉大学, 理工学研究科, 非常勤講師 (20444052)
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キーワード | 不動点 / 非拡大写像 / 非拡大写像族 / 縮小写像 / Kannan写像 / Banach空間の幾何学 |
研究概要 |
この補助金のおかげで、未発表の結果を含め、いくらかの研究成果を得ることができた。以下では、項目13の雑誌論文リストで挙げた論文のうち、いくつかの論文の概要について述べる。 1:非拡大写像に関してはこれまで非常に精力的に研究されてきた。そして最近、非拡大写像以外の非線形写像に関する研究も盛んに研究されるようになってきた。本論文では、Property C[t]とProperty E[t]という条件を定義して、これらの写像に関する研究を行っている。パラメータtは非負の実数で、この値が大きくなると条件が弱くなる。非拡大写像はProperty C[0]とProperty E[1]という性質を持っている。Property C[t]とProperty E[t]は、不動点性などの性質に関して丁度補完し合う関係にあることなどを、本論文において証明している。 2:可算個の非拡大写像族のBrowder型の収束について見通しのよい証明を与えている。 3:Max-Kannan型の不動点定理の改良をした。また、この論文での改良方法と同じ方法では、これ以上改良できないことも示した。 4:ちょうど100年前に証明されたBrouwerの不動点定理の証明を与えた。Bolzano-Weierstrassの定理と「奇数プラス偶数が奇数である」という事実しか用いていないため、すべての数学者が検証可能である。そればかりでなく、数学科以外の、たとえば、経済学部の学部学生でも検証できると思われる。 Brouwerの不動点定理は数学の10大定理としてリストアップされる程、非常に有用であり、経済学部でも非常に良く使われる。その為、研究という観点からはともかく、教育という観点からは重要な成果であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果から判断して、(1)と(3)の間にあるため
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今後の研究の推進方策 |
本研究に関連して、解くべき問題が未だ多く残されている。 創意工夫を重ねながら、それらの問題を1つ1つ解決へと導きたいと考えている。 また、研究そのものは順調に進展しているが、論文発表に関して遅延があるため、論文に発表できるようまとめあげる必要がある。
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