研究課題/領域番号 |
21540191
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
内藤 幸一郎 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10164104)
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研究分担者 |
三沢 正史 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40242672)
角田 法也 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (80185884)
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キーワード | 非線形偏微分方程式 / 準周期性 / フラクタル次元 / 再帰性 / ディオファンタス近似 / ディオファンタス条件 / 自己相似性 / カオス |
研究概要 |
代表者のこれまでの研究では準周期離散力学系の予測不能性を再帰的次元のGAP値で評価を行うことを提唱し、単一無理数周波数をもつ準周期軌道についてはその無理数の有理数近似の不良性によりGAP値が正の値、即ち、予測不能性が出現することを示している。本年度の研究では複数の無理数周波数をもつ準周期系について、各無理数のディオファンタス近似分母列から表現構成される拡大公倍数の列について、その公倍数の表現列の相対的長さと軌道の再帰性の関係から、再帰的次元のGAP値が正の値を取る無理数の組の例について解析した。研究論文リスト[1]の論文では、多重ディオファンタス近似評価を用いることにより、extremal数とその2乗数の組みを無理数周波数の組みとしてもつ準周期的離散力学系について、その再帰次元のGAP値が正の値をとる条件を導いた。これらの条件は、extremal数由来のレヴィ定数と著者がこれまでの研究で導出した拡大公倍数由来の定数との関係を評価することにより導かれた。さらに、研究論文リスト[2]の論文では、GAP値が正の値を示す多重準周期軌道について、その無理数周波数の組の例を各無理数の連分数展開列を具体的に構成することにより導いている。 非線形偏微分方程式の複雑解に関する研究活動は分担者三沢氏を含むグループと共同で定期的に開催している「熊本大学応用解析セミナー」を通して行い、講演発表要旨を収録した研究報告集を本年も印刷発行した。なお、分担者三沢氏は、非線形双曲型方程式の複雑解解析の基礎となるに関する研究結果を論文リスト[3]、[4]の論文で発表している。
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