研究課題
相空間経路積分が存在する一般的な汎関数の2つのクラスを与えた。厳密に言えば、各々のクラスに属する汎関数を振幅とする相空間経路積分の区分的定数経路による時間分割近似法が位置経路の終点と運動量経路の始点に関して広義一様収束する。この2つの汎関数のクラスは和、積、経路の平行移動や線形変換、汎関数微分といった演算に関して閉じている。このため、相空間経路積分可能な多くの汎関数を創ることができる。さらに応用として、不確定性原理を避けるため使用する際に注意が必要であるが、この相空間経路積分において、時間に関する積分や極限との順序交換定理、経路の平行移動や直交変換に関する自然な性質、汎関数微分に関する部分積分、Hamilton型の準古典近似が成立することを示した。この結果を論文としてBull.Sci.Math.で発表した。6月21~24日京都大学数理解析研究所で研究集会「Introductory Workshop on Feynman Path Integral and Microlocal Analysis」を企画した。口頭発表として、6月23日と24日に上記研究集会、7月7日東京都市大学の数理科学セミナー、7月20日立命館大学の解析セミナー、11月13日佐賀大学での研究集会「確率解析とその周辺」、1月31日スイスのEPFLでの研究集会「Recent developments in Stochastic Analysis」、2月25日東京都市大学の数理科学研究会、3月8日に日本大学での研究集会「超局所解析とその展望」、3月16日ドイツのポツダム大学での研究集会「Geometric and Singular Analysis」で発表した。また雑誌「数理科学」に時間分割近似法による経路積分の理論について一般向けの解説を書いた。
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数理科学
巻: No.586 ページ: 28-34
Bulletin des Sciences Mathematiques
巻: Vol.135、No.8 ページ: 936-987
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0007449711000972