研究概要 |
「特異積分と関数空間の研究」という主テーマの下で,今年度は(1)Herz空間とそのcritical indexに相当するCMO空間上での特異積分作用素の有界性,(2)fractional integralのMorrey空間上での重みつき評価,(3)近年重要性が増している多重線形作用素の性質について集中的に研究を行った. (1) 特異積分作用素のHerz空間上での有界性はよく知られているが,その端点に相当するBp空間ではp>1でないと有界にはならない.松岡勝男氏と共同でp=1のとき弱型の有界性を示した.さらにBpより広いCMOから弱CMOへの有界性を示した.重みつき評価も示した. Fractional integralのHerz空間K(α,p,q)上での有界性はpがcritical indexより小さい場合は知られていた.pがcritical indexより大きい場合はBMO,リプシッツ空間へ写されることを示し,Hardy-Littlewood-Sobolevの結果を改良した. (2) Fractional integralが「Morrey空間Lp,λからLq,λへの有界作用素である」というAdamsの結果の重みつき評価を,新しいweightのクラスを導入することにより示した.飯田毅,佐藤圓治の両名との共同研究である. (3) 多重線形fractional integralのweighted LpとMorrey空間での有界性はMoen, Tangらにより得られていた.飯田毅,佐藤圓治と共同でweighted Morrey空間での有界性を証明した.
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