研究概要 |
一般化された特異積分作用素の様々な関数空間上での有界性を示すということが大きな目標の一つであった。これに関連して[b,p(x,D)]f(x)=b(x)・p(x,D)f(x)-p(x,D(bf)(x)の形の擬微分作用素p(x,D)と掛け算作用素bの交換子の局所ハーディー空間h^p(R^n)上での有界性を示すことができた。 Fractional integral operatorに関して2つの結果をえることができた。Morrey空間上での重みつき評価を得た。この結果は重みのついていない場合はAdamsの不等式に相当するのもである。さらに多重線形fractional integralについても同様の結果を得た。これらの結果は山形大学の飯田毅士、佐藤圓治両氏との共同研究である。 Fractional integralが臨界指数のHerz空間からBMOへの有界作用素であることを証明できた。これはfractional integralが臨界指数においてL^pからBMOへの有界作用素であるという結果を改良したことになる。なぜならHerz空間の方がL^pより広い空間であるので。 Morrey空間とHerz空間を統合するような形の新しい空間であるBσ空間を導入し、その空間上での最大関数や特異積分の有界性を示した。茨城大学の中井英一、京都大学の澤野嘉宏、日本大学の松岡勝男氏らとの共同研究である。 私が主催した研究集会は調和解析セミナー(大阪大学)。この研究集会では多重線形作用素とMorrey空間に関する多くの研究発表があった。科研費で補助した研究集会は実解析学シンポジウム(信州大学)、発展方程式シンポジウム(東海大学)、実関数論、関数解析合同シンポジウム(東京女子大学)。
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