研究概要 |
平行平板間領域におけるNavier-Stokes定常問題については、これまで主にLp-空間で考察されていたが、ここでは負階の関数空間に属する関数や、必ずしも遠方で減衰しない関数についても考察するために、関数空間としてSobolev空間やBesov空間で考察を行った。特にpが1または無限大の場合には、Helmholtz分解がLp-空間あるいはSobolev空間では有界とならないため,Besov空間での考察が不可欠である. 結果としては、関数空間の指数pが1と無限大の間にある場合は通常のLp-空間と同様の結果が新たな関数空間について得られたにとどまったが、pが無限大の場合は外力が0であっても自明でない解が得られ、この解がよく知られた特解であるPoiseuille流を表していることがわかった。またこのことと対応して、pが1の場合はすべての小さい外力に対して解が存在するわけではなく、Poiseuille流と直交する外力についてのみ問題の解が存在することがわかった。
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