前年度までの研究で得られた、外力が存在する場合の2次元空間の外部領域における Navier-Stokes 方程式の定常解について、今年度はその安定性を研究した。領域の形状および外力に高い対称性がある場合、定常解の遠方における減衰はある範囲で外力の遠方での減衰に従って定まる。得られた結果は以下の通りである。 領域および定常解が対称的で十分小さく、遠方での減衰が原点からの距離に反比例するとき、空間 L2 に属する対称的な初期摂動を与えた場合、非定常 Navier-Stokes 方程式は時間大域解を持つ。 あるいは定常解が十分小さく、遠方での減衰は上記より更に速く減衰する場合に,空間 L2 に属する初期摂動を与えた場合、非定常 Navier-Stokes 方程式は時間大域解を持つ。 上記どちらの場合にも初期摂動の大きさには制限はなく、更に時間が無限大に近づくとき、時間大域解と定常解の差は、空間 Lp (p は 2 以上) あるいは H1 において 0 に近づく。この結果は、特に初期値が距離に反比例より速く減衰するとき、定常解が空間 L2 における global attractor となっていることを示すものである。
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