C^2のAxiom A polynomial skew productsの力学系について、DeMarco-Hruskaは主に2次の場合にかなり詳細に研究している。特に危点集合の集積点集合について、通常の集積点集合Aに加えてpoint-wise accumulation set:Aptとcomponent-wise accumulation set:Accを定義して、それらの性質を調べている。一昨年、DeMarco-Hruskaの論文に誤りが見つかった。彼女だちはsaddle setのbasic setsへの分解を考慮しなかったため、Apt=Accとなるための誤った特微づけを与えていのである。 この問題を考察する中で、危点集合の各連結成分がどれかひとつのsaddle basic setの安定多様体に含まれることがApt=Accとなるための必要十分条件であることを示すことができた。 同様の議論によろて、危点集合と各saddle basic setの安定多様体との交わりがコンパクトであることがApt=Aとなるための必要十分条件であることが証明できた。DeMarco-Hruskaでは既にApt=Aのひとつの特徴づけが与えられているが、われわれの特徴づけはApt=AccとApt=Aの特微づけを、saddle basic setsの性質によって統一的に与えられるという利点がある。その応用として、Apt=AccおよびApt=Aという性質がhyperbolic component内で保たれることが同時に証明できた。 Saddle basic setsの間には、その安定多様体と不安定多様体の交わりの存在により関係が定義されるが、上記のような議論の中で、いろいろな関係によりAxiom A polynomial skew productsの力学系を分類するという興味深い問題も得られた。この方向では、ふたつのsaddle basic setの関係の存在を危点集合の性質によって特微づけることができた。
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