研究概要 |
本研究においては、2次元 Axiom A polynomial skew products の複素力学系について、特に saddle basic sets の間の relations の存在が危点集合の挙動にどのような影響を及ぼすかを解明することを目的とする。23年度までは、base Julia 集合 Jp 上の saddle basic sets の間の relations を考察してきた。 24年度は、Axiom A polynomial skew product: f(z,w) = (p(z),q(z,w)) が連結で p の危点がすべて周期的ならば、 p の吸引的周期点の集合 Ap 上の saddle set と Jp 上の saddle set の間には relations が存在しないことを証明した。その条件のもとで、p の Fatou components で定義された Ap 上の saddle set の holomorphic motion が、その境界まで連続に延長されること、従って、すべての internal rays が第 2 Julia 集合に連続的に着地することも示すことができた。更に、同じ条件のもとで、f が p の充填 Julia 集合 Kp 上 vertically expanding であることも示すことができた。その系として、fiberwise 充填 Julia 集合 Kz と、fiberwise 逆 Boettcher 座標が base 変数 z の関数として連続であることも示された。その過程で、上の holomorphic motion が fiberwise 逆 Boettcher 座標を用いて表せることも分かった。
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