複素平面上定義され非特異な射影的代数多様体Mに値を持つ正則曲線fの除外指数をM上の一次系上の関数として研究した。 一次系が空でない底点を持つ場合に解析的イデアルの連接層に対するNevanlinna理論を用いて定点に対する除外指数を定義した。一次系に含まれる除外因子、即ち除外指数が定点に関する除外指数よりも大きい因子の集合を考察し、この集合が次元の低い部分一次系の可算和になる事を証明した。この結果を用いて除外指数の値の集合が高々可算集合である事を示した。更に除外指数の各値と定点を持つ一次系との間に対応があることを証明した。 またMがn次元複素射影空間である場合に底点に関する除外指数が正であるような正則曲線の構成について研究を行った。任意の空でない底点を持つ一次系に対して0と1の間に底点に関する除外指数を持つような正則曲線が必ず存在する事を示した。 以上の研究では一般化されたCroftonの公式等積分幾何の手法が有効に用いられる。
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