複素直線上定義され射影的代数多様体Mに値を持つ正則曲腺fに対し、fとM上のアンプル直線バンドルLが定める完備一次系に属する除外因子とfの除外指数の関係を研究した。空でない定点を持つ一次系に属する因子に対して、解析的連接イデアル層に関するネヴァンリンナ理論を用いて第2主要定理を証明し、除外関係式を示した。この除外関係式と一般化されたクロフトン型公式を用いて、除外因子の集合に関する構造定理を証明した。すなわち除外因子の集合が空でない定点を持つ一次系の可算個の和として表すことが出来ることを示した。更に多重劣調和関数の特異点集合になることを示した。この構造定理を用いてfの除外指数と完備一次系 L の部分一次系との間に対応関係があることを示した。その結果として除外指数の値の集合の可算性を示した。 以上の結果は本年6月30日に刊行されるTohoku Mathematical Journal第64巻2号に掲載される(現在印刷中である)。なお本結果はシンポジウム・国際会議等で発表済みである。
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