研究概要 |
近年、変動指数を含むLebesgue空間について様々な結果が報告されている。変動指数を含むLebesgue空間を次のように定義する。ΩをR^N(N≥1)の開集合とし、p(・):Ω→[1,∞)を可測関数とする。L^(Ω)={u:Ω→R,可測,∥u∥_(Ω)>(Ω)>=inf{λ>0:∫_Ω|u(x)/λ|^dx≤1}とする。また、k∈Nに対しW^(Ω)={u∈L^(Ω):∥u∥_(Ω)>(Ω)>=Σ0≤|α|≤∥D^αu∥_(Ω)>と定め、W(Ω)におけるC^∞_0(Ω)の閉包をW^_0(Ω)と定める。ΩをR^N(N≥3)における有界領域とし、(2,2N/(N-2)]の範囲を動く変動指数q(・)がΩのある点でSobolevの臨界指数2N/(N-2)を達成するとき、Dirichlet境界条件の下で-Δu(x)=|u(x)|^u(x)inΩは正値解を持つかという問題を以前考えた。その際に、W^_0(Ω)がL^(Ω)にコンパクトに埋め込めるかということが問題であった。ここでは、W^_0(Ω)がコンパクトにL^(Ω)に埋め込まれる条件についての結果を出し、それを使って、Dirichlet境界条件の下で、問題(*)-div(|▽u(x)|^▽u(x))=|u(x)|^u(x)inΩが非自明な非負弱解を持つことを、ある条件下で示した。さらに、W^_0(Ω)からL^(Ω)への埋め込みがコンパクトとは限らない場合にも、適当な仮定の下で(*)の非自明な非負弱解が存在する結果を述べた。また、前年度考察した楕円型方程式-d^2Δu+u=f(u)inΩ,∂u/∂v=0 on ∂Ωの符号変化解の解の個数の下からの評価について、議論が不十分であった点を改良した。
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